日本画 : Japanese Pigments Paintings 2009

目覚めろ、野生! 麒麟

wanitora
キリン図 −True Brave−
2009年 和紙に着彩 900×300cm


五行の神獣である麒麟、中国では竜の子として崇められています。日本ではキリンビールでおなじみですね。
中国では「麒麟(xirin)」と、実在の動物「キリン(和名)」は区別し「長頸鹿」と呼んでいます。なるほど。
日本へは実在の動物キリンが伝えられたとき、伝説上の「麒麟」と混同して伝えられたようで、「キリン」が和名になったようです。 なので、中国の方たちは「なぜ麒麟が長頸鹿なの?」と一瞬わからなかったようですが、そういった文化の解釈の違いも、面白いと思っていただけたようです。

さて、私がこれを描いたのは、実は「麒麟」でなく、ず−−−っと以前から「キリン」を描きたいと思ってのことでした。

ずいぶん前にTV の動物番組で見たのですが、アフリカ・サバンナにおいてキリンは、最強の動物なんだそうです。
もちろん、子キリンは肉食獣の捕食の対象になりえるのですが、番組の現地ガイドいわく、 「キリンはいったん成獣になるとサバンナでは最強です。なぜなら彼らには強烈な後ろ回し蹴りがあり、 それにはライオンや豹などの肉食獣もかなわず、寄せ付けないんです」とのことでした。

最初は嘘だろ〜?と思ったのですが、人間を乗せた車が近づくと、ライオンやサイなどの動物が威嚇したり逃げるのに対し、 キリンだけは近くによっても悠然と木の葉を食べています。「キリンは自分が強いことを知っている、だから人間が近くによっても、悠然としていられるんです」。

ガイドさんのキリンを語るこの言葉には、胸を打たれました。私自身もいろんな意味で強くなりたい、タフでありたいと思うのですが、細かい事に悩み、ヘコみ、余裕Nothing...... 到底キリンの強さには及びもつきません。

「強さって何だろう?」
キリンを描くことで答えが得られるとは思いませんが、ずっと描いてみたいと思っていました。 そしてこの想いが、「ターザン」シリーズを描こうと思った、最初のきっかけでもあります。

この展覧会を機会に、北京での制作ができ、等身大の巨大なキリンを描くことに挑戦できたことは、私にとっては非常によい経験となりました。

暁か夕日か、サバンナの太陽をバックにキリンに乗るターザンの勇姿に、何を思うか。。。

kirinkirin
製作記をブログに書いています。良かったらご覧下さい。



物語上の人物ではありますが、自然と共に生き、野性の象徴であるターザン。
彼らには人間の本能的な「強さ」と、今後の人類の課題である、「自然との共生」のヒントが、多く隠されているのではないでしょうか。
また、超薄着のターザンたちの放つお色気、セクシーさはもちろん私の趣味でもありますが、「種の保存」という野性の本能に、 そして現在人類がなくしかけている「Y染色体」増量に、大きな効力を発揮するのではと思うのです!

と、いろんな想いを込めて描いた、野生の男・ターザンの作品群を、動物たちと共にお楽しみ下さい。

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Admiration of Handsome Men - 美男礼賛

四季折々の花に囲まれた、当代東洋の美男画です。

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