左隻：「アジアの白い虎」

アジア美術史の王道・竜虎図に挑戦しました。 ターザンと絡めるため、竜をリアルな「ワニ」にチェンジし、大屏風の虎は五行の神獣である、白虎・ホワイトタイガーを描きました。
この屏風は八尺屏風（高さ約240cm）、狩野永徳の「唐獅子図屏風」と同じ大きさです。
敬愛する画家、狩野永徳へのオマージュ的な作品でもあります。

銀屏風にしたのは、当初エスキースとして描いた、水墨の「鰐虎図」のイメージを引き継ぎたかったからです。 そして、今の私の力量では、この大画面の屏風で水墨オンリーで描くのは、非常に難しいと感じました（ホント、水墨は難しいです…）。 だったら、失敗を恐れて筆が萎縮するよりは、ガンガン描ける箔地にしました。

そのおかげか、本当にすごい勢いで、体全体を使って、筆を走らせるようにガンガン描けました！
この作品は、派手な色調も、細かい描き込みも、凝った画面構成も無いかもしれません。でも、今までの私の作品にはない、ダイナミズムと迫力が宿ったと自負しています。

個人的にはとっても気に入っています！
水辺でホワイトタイガーとくつろぐ静のターザン、ワニに乗ってダイナミックな波乗りに興じる動のターザン、左右の屏風の対比も、楽しんでいただければと思っています。

いつか、水墨でも大屏風を描けるように、精進したいです。