Ryoko Kimura Art Works

餃子ひとさらー益子やきもの軸

《餃子ひとさら-益子やきもの軸》

掛軸(描き表装)、絹本着彩/ Hanging scroll, Pigments on silk / 160.0×52.0cm /2021/

栃木県立美術館「日本画のゆくえ」展出品作(栃木県立美術館蔵)

 

栃木県益子町に友人の陶芸家・木村充良氏の窯があり、祖父の木村一郎氏、父の充氏と、益子で三代続く陶芸窯である。時折遊びに訪れては窯から直接好みの器をいただき日常使いしていたせいか、栃木といえば「益子焼き」が一番私に馴染んでいるように思いテーマとした。本作は、濱田庄司記念益子参考館所蔵の濱田庄司《柿青釉白格子描大鉢》を描き表装として写し、アレンジ。釉薬の抽象的な文様や、焼成による偶然性を岩絵の具で表現するのはとても面白い作業だったが、表具部分が先に完成してしまうとこれが強烈で、さすが人間国宝 …… 模写してみて改めてその凄さを思い知った。当初、なかの絵にはイケメン陶芸家でも描こうと思っていたのだが、合わないというかどうも表具に追いつかない。何を描くか悩みに悩んだ結果、大好物の宇都宮名物「餃子」をのせた益子皿を「用の美」として、余白をもたせつつ描くことにした。器は益子陶芸美術館蔵・木村一郎氏の《辰砂草文皿》、タレ用小皿には20 年愛用の私蔵・充良氏の蟹文皿と、祖父孫皿でいただく餃子は贅沢の極みだ。普段イケメンばかり描いているので「静物」のみは珍しく、なかなか新鮮で気に入っている。ああ、餃子食べたい。