Ryoko Kimura Art Works

Let’s Start Game : BE MY MODEL  -ARTIST in RESIDENCE with LOVE♥︎

本作は、黄金町バザール2014年に展示した、絵画と物語(ゲームブック)による観客参加型の恋愛シュミレーションゲーム(乙女ゲーム)です。 主人公はあなた自身。恋のお相手は黄金町にレジデンスする、4人のイケメンアーティスト!黄金町に訪れたあなたは彼らと出会い、モデルになるよう頼まれます。あなたは彼らにとって美の女神になり得るのでしょうか?それともそれ以上・・・?

黄金町バザール2014に設置したゲームブックの物語をWeb上に再現しました。物語上であなたが選ぶ選択肢によって、ゲームのエンディングが変わります。ドキドキのアートと恋の物語に、老若男女問わずぜひご参加下さい。それでは、はじまり、はじまり・・・

プロローグ ♥ 私がモデルに!?

はじめて訪れた、黄金町バザール。高校時代からの親友で、日本画家のヨーコが参加してるから遊びに来てって。日本画、といってもイケメンばっかり描いてる変なやつ(笑)。しばらく滞在制作をしてたとかで、ここで描いた新作も展示するとか。

へぇ・・・黄金町ってちょっとアブナイ歓楽街ってイメージがあったけど、今はアートの街になってるんだ。私はアートは見る専門。時々都心のギャラリーや美術館を巡ることはあっても、横浜、しかも黄金町まで足を伸ばすことはなかった。今日はどんなアートに出会えるんだろう…楽しみ!

日ノ出町駅から京急線の高架下を大岡川沿いに歩く。おしゃれなカフェやショップ、ギャラリーがあちこちに点在しているけど、昔のアブナイお店の名残もちらほら・・・うーん黄金町、思った以上に面白い街だなぁ!高架下のアートギャラリー、Site-Aの前に手を振るヨーコの姿が見えた。SNSでは頻繁にやりとりしているけど、実際に会うのは久しぶりだ。

【ヨーコ】「こっち、こっち!よく来てくれたね~」

中に入ると、広々とした空間に心地よいリズムで作品が展示されている。さてヨーコの作品は・・・と目で追っていると、グッと腕をつかまれた。

【ヨーコ】「あのね、実は・・・あんたを紹介したい人たちがいるんだ」

と、何かたくらんでそうな上目遣いで私を見る。彼女がこんな目をする時は、たいていヒドいむちゃぶりがあるときだ。胸騒ぎがする・・・。ヨーコは私の腕を引いて、会場の奥の4人の男性に引き合わせた。

:「はじめまして、油絵を描いてる桃瀬優也です」

:「僕は日本画の…氷室風貴です」

:「こんにちは、彫刻家の稲葉玲司です」

:「オレ、この写真の渚カイト、よろしゅう!」

な、、、なに、なんなの!? このイケメン軍団は?!

【ヨーコ】「彼らは黄金町でレジテンスしているアーティスト。皆さん、笑っちゃうぐらいイケメンでしょ?」

確かに・・・。美人アーティストってのはよく聞くけど、最近は男子もすごいのね・・・。

【ヨーコ】「実はね、ここでアーティストとモデルの関係性に迫った展覧会を企画してるの。制作中のドキュメントから完成作品含めて展示する予定なんだけど、急だし、なにより彼らのおメガネにかなうモデルがなかなかいなくて…。でね、あんた、どうかなって?」

【あなた】「はぁ???? 私が?アーティストのモデル???  むりむりむりむり———————!!!」

【ヨーコ】「大丈夫!昔、私のモデルしてくれたじゃない?同じ同じ!それに仕事もやめたばっかりってタイミング良くない?これも人生経験だと思って!  オネガイ!!!」

うぐっ…、そうなのだ。私はつい先日、一身上の都合でしばらく働いていた会社を辞めたばかり。確かに今は暇っちゃヒマだけど…。ヨーコのモデルしたって、高校生のときだよ?

【ヨーコ】「あ、ゴメン!ちょっとお客さんが来ちゃった…また戻るから、あとでね!じゃ皆さん、あとは各自口説き落とすってことで、ヨロシクです!」

そう言い残すと、無責任にも私を置いてこの場を離れてしまった・・・。ボウセンと立つ私に、彫刻家の稲葉さんが心配そうに話しかける。

【稲葉令司】「あの・・ごめんね、突然こんなこと頼んで。彼女に相談して、君のFacebookとかの写真も見せてもらって。考えてる作品のイメージに合うなって紹介頼んだんだ。アートにも理解あるって言ってたから」

【あなた】「あ、いえいえ!大丈夫です・・・」

といいつつ、ヨーコめ〜変な写真見せてないでしょうね?秘密保護法違反よ〜〜今日はおごってもらうからね〜!

確かに、私は自分でアートを創る才能はないけど、見るのは大好きだ。ヨーコが美大受験の時、モデルをしたこともある。動かないでじっとしてるって大変だったけど、彼女の真剣さが伝わってきて、私もがんばらなきゃって・・・いい刺激だった。

描かれた私自身をみて、自分のような、そうでない別のひとのような、とても不思議な感覚だった。そんな経験もあってか人物画をみると、どんな想いで描いたのかな、描かれたのかなって気持ちを空想してみたり。しぐさや表情に共感して、心が揺さぶられる作品に出会えることも・・・。

【あなた】「あ、あの、まず作品を拝見させていただきますね・・・」

私はそういうと、彼らの作品をひとつひとつ丁寧に見ていった。

重厚な油絵で描かれた艶やかな女性像、女の私から見ても色っぽい・・・。

静謐で物憂げな女性像の日本画、岩絵の具がキラキラときれい。

木彫の彫像は、うっすらと彩色された木肌に人の暖かみを感じる、伸びやかな少女像。

写真は…本人が被写体?鏡に映り込んだ、赤裸々な彼のドキュメント。みんな、すごい作品だなぁ・・・。

それぞれの作品が放つ世界観に、ぐんぐん引き込まれそうになる。 いったいどんな視点で人間を見て、作品を作ってるんだろう…?でも、こんなすごい人たちのモデルなんて、しかもこんなイケメンにジロジロ見られるなんて、恥ずかしいよ〜〜!

未だ答えられないでいる私に、油画の桃瀬さんがやさしく声をかけてくれた。

【桃瀬優也】「全員のモデルにってわけじゃないんだ。君が気に入った作品の、アーティストを選んでくれていいんだよ」

そして、4人全員に

ぜひ、モデルになってほしい。頼めないかな?」

これって・・・一生分のモテ期が一挙到来ってやつ?(モデルだけに)ありえないシチュエーションに、頭が真っ白———— 気がつくと、

【あなた】「わ、わたしで良ければ…」

と、コクリうなずいてしまっていた。

あなたは、どのアーティストのモデルになる?4人のアーティストからお好きなキャラクターを選んで下さい。

  油画:桃瀬優也

  日本画:氷室風貴

  彫刻:稲葉玲司

 写真:渚カイト

選んだアーティストの名前をクリックすると、彼らとの物語が展開されます。

BE MY MOODEL Start! 展示風景

 

黄金町風景